春につづいて、夏も愛媛県の藁細工職人・上甲清さんと智香さんに会いに行って来ました!
ちょうどその前日に稲刈りの第1期が終わったタイミングで、少しゆっくりされている日でした。清さんは相変わらず元気いっぱい軽快なおしゃべりで清さんワールド全開!3時間ほど、おしゃべりしたり作業場や田んぼを見せていただいたり、楽しい時を過ごしました。
まずは、第1期の稲刈りが終わった田んぼにて。はじめの頃に刈った手前のほうの稲からは、すでに次の稲がでてきている!これがまた伸びて9月に第2期の稲刈りがおこなわれます。
清さんと智香さんは、しめ飾りに使うための稲わらを、種から育てています。春にうかがった際はちょうどその種の準備をされていました。今回は稲刈りしたての青々とした稲わらを見せてもらいました。稲を刈った後は、猛暑で50度にもなる広いハウスに並べて何度か裏返しながら素早く乾燥させます。
乾燥させると根元ちかくのハカマをとって、美しい色を保つために、光線にあてないように作業場で保管します。あちこちに青々と美しい稲わらが並べてありました。これらが今年のしめ飾りの材料となるわけです。
暑いなか元気に動き回って説明してくれる清さん
このあたりは高地になるため、昔は暑くても30度くらいにしかならなかったそう。近年の夏の暑さには、清さんも相当まいってるようでした。それでも知恵をいかして、外の仕事は早朝や夕方にやったり、「稲わらのハカマ取りは山の中でやると涼しくて汗をかかないよ、ハカマも自然に返せるしね」と笑っておられました。
暑い昼間は、自ら増築した快適な作業場で(しかも最近工事した!)しめ飾りの細かい部材を準備しています。今の時期のこの作業が大事なんだ、と美しく整った細かい部材を見せて下さいました。これまでの活動の記録や写真も見せていただいて、いまの清さんを作る歴史を一部でも知ることができてとても豊かな時間でした。
毎年12月が近くなるとお店に届く上甲清さんのしめ飾り。
その完成までには、途方もない手間と時間がかかっています。すべて手作業で、ひとつひとつ愛をこめて作業をすすめられています。今年は大変光栄なことに、10月後半・上甲清さんのしめ飾りと藁細工だけを展示販売する機会をいただきました。10月うまれの清さん、その頃88歳になられています。88歳の個展ですよ!とてもとても有難いことです。
ぜひ、店頭で目にするしめ飾りができるまでの、途方もない時間と手間を想像して、清さんの歴史や愛を感じてほしい。そんな素晴らしい会になればいいな、と願っています。