福津市にて進行中の新築K邸では屋根工事が順調に進んでいます。
板金屋根の部分は二重垂木にして通気をとっています。母屋に野垂木→野地板(無垢材)→ 遮熱シート → 野垂木 → 野地板(無垢材)→ ルーフィング(防水材)→仕上げの屋根材、という順番で施工しています。壁の中を通った空気が通気口から垂木の間を通り、棟換気から外部へ排出されます。天井内の暖気もまた、棟換気から外部へ排出されます。工事としては手間がかかりますが、居住性はもちろん家を長持ちさせるために重要な部分でもあります。野地板は屋根面の剛性をとるためやコストを考えて構造用合板を使用する場合が多いようですが、弊社では必ず野地板にも無垢材を使います。
手間もコストもかかるのになぜ無垢板を使うのか?それは家を長持ちさせるために必要だと考えるからです。屋根は外部からの水分(雨や雪)にさらされる最も過酷な場所であると同時に、内側からの水分(内部結露)からも守ることが重要となります。
構造用合板は水分(結露)が加わることにより、悪いとカビや微生物によって腐敗が始まります。合板が柔らかくなりやがて屋根材を支えきれなくなります。雨漏りの原因にもなりえます。屋根材からの雨漏りと思っていたが、調べてみるとこの結露だったということもあるそうです。結露が滞り、天井にしずくが落ちて雨漏りのように天井を濡らします。【板金屋さん談】
比べて無垢材は、結露(湿気)を吸収してもちゃんと乾いてくれます。二重垂木による通気層は熱気を排出するためだけではなく、野地板の乾燥を促進するためでもあります。このことにより野地板が腐りにくくなり、結果屋根が長持ちするのです。
そうして出来上がった屋根。5棟にわかれておりそのうち1棟が瓦葺き、3棟がガルバリウム鋼板、1棟がバルコニーになります。一番手前左側の棟、ここがご夫妻の仕事場(アトリエ)、右奥の一番高い棟(写真④)ここだけが瓦葺きの屋根で1階がダイニング・2階には子供部屋ができます。